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ろじょう

路上

芥川 竜之介

午炮响后,图书馆陷入诡异的寂静,大学生俊助埋头书海,时间随着指针流逝,但这份平静下似乎藏着什么在悄悄酝酿。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 43,539 字 · 87 页

青空文庫

大井はその後姿を目送しながら、わざとらしく大きな声で笑い出したが、すぐに卓子の上のウイスキイをぐいとやって、

「どうだ。美人だろう。」と、冗談のように俊助の賛同を求めた。

「うん、素直そうな好い女だ。」

「いかん、いかん。僕の云っているのは、お藤の――お藤さんの肉体的の美しさの事だ。素直そうななんぞと云う、精神的の美しさじゃない。そんな物は大井篤夫にとって、あってもなくっても同じ事だ。」

俊助は相手にならないで、埃及の煙ばかり鼻から出していた。すると大井は卓子越しに手をのばして、俊助の鼈甲の巻煙草入から金口を一本抜きとりながら、

「君のような都会人は、ああ云う種類の美に盲目だからいかん。」と、妙な所へ攻撃の火の手を上げ始めた。

「そりゃ君ほど烱眼じゃないが。」

「冗談じゃないぜ。君ほど烱眼じゃないなんぞとは、僕の方で云いたいくらいだ。藤沢のやつは、僕の事を、何ぞと云うとドン・ジュアン呼ばわりをするが、近来は君の方へすっかり御株を取られた形があらあね。どうした。いつかの両美人は?」

俊助は何を措いても、この場合この話題が避けたかった。そこで彼は大井の言葉がまるで耳へはいらないように、また談柄をお藤さんなる給仕女の方へ持って行った。