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かいことてんぼう

近世数学史談

高木 貞治

高木貞治『近世数学史談』。同一底本的分册已合并为一书。收入:回顧と展望、ヒルベルト訪問記。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,981 字 · 25 页

青空文庫

た次第である.

それから1900年に私はゲッチンゲン大学へ参りました.当時,ゲッチンゲンでは,クラインとヒルベルトの二人が講座を有っていた.講座が三つになって,ミンコフスキが聘せられたのは後である.此処はベルリンとは様子がまるで変っているので驚いてしまった.当時は毎週一回大学で談話会があったが,それはドイツは勿論,世界各国の大学からの,言わば選り抜きの少壮学士の集合で実際,数学世界の中心であった.そこで私ははじめて,二十五にも成って,数学の現状に後るること正に五十年,というようなことを痛感致しました.この五十年というものを中々一年や二年に取り返すわけにゆくまいと思われましたが,それでも其の後三学期即ち一年半の間ゲッチンゲンの雰囲気の中に棲息している裡に何時とはなく五十年の乗り遅れが解消したような気分になりました.雰囲気というものは大切なものであります.

私はヒルベルトの処へ行ったところが,「お前は代数体の整数論をやるというが,本当にやる積りか?」とえらく懐疑の眼を以って見られた.何分あの頃,代数的整数論などというものは,世界中でゲッチンゲン以外で殆ど遣って居なかったのであるから,東洋人などが,それを遣ろうなどとは,期待されなかったのに不思議はないのである.さて僕が「やる積りです」