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ちかごろのわだい
近頃の話題
宮本 百合子
「東京日日新聞」1937(昭和12)年7月17~21日号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,932 字 · 14 页
ソ連の作家生活にも、あまり金のとれぬ作家と沢山金のとれる作家との差別はあるだろう、という話が出ている。それは当然あること、並に作家活動と社会への功績の理解との融合を除村氏は答えとして与えられている。私がソ連の作家生活の幾分を見聞したのは第一次五ヵ年計画以前のことであった。その頃でさえ、全露作家協会の共同金庫は、生活に余裕ない作家の生活援助のために保健費を出したり、原稿料の一部の前借を計らったり、消費組合をもって燃料、織物などの共同購入の便宜を計らっていた。一九三〇年頃には便利な食堂も出来ていた。ノビコフ・プリヴォーイが「日本海海戦」を書くことが出来たのは、作家の住宅問題を緩和するために郊外に「創作の家」があったからである。
今日、こういう作家生活全般のために考えられている設備はどんなに発展して来ているであろうか。文学サークルなどの活動はどんなになって来ているであろうか。座談会が、こういう具体的なところで、もっと詳細に語られなかったのは本当に惜しかった。
一般の読者にとっても作家にとっても知りたいのは、金をとる人間の金のつかいかたより、金を大してとれないものが、猶どんな新しい社会的施設によって文化活動者としての発育の可能性、即ち才能の具体化の可能性を守られているかということである。