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たいほしゅぎしゃ
退歩主義者
「月刊読売 夏期臨時増刊号」1949(昭和24)年7月20日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,703 字 · 20 页
キマリの悪い思いをさせるよ」
そこで新しいオヤジとオフクロが額をあつめて秘密会議をひらいた。無給でコキ使っても、ひき合わないからである。バラバラにきざんで、隅田川へ捨てる、というワケにも行かない。よく切れる庖丁もあることだし、馬みたいのものだが、馬のように怒って蹴とばす心配もないのだが、戦争に負けても、刑務所などゝいうものが、なくならないのだから始末がわるい。
そのときオヤジがオデコをたゝいて新発見を祝福した。オヤジが米の買い出しに出向く埼玉の農家に、ウス馬鹿でヤブニラミの一人娘がいるのである。聟を探しているが、女ヒデリでない当節、まして田舎のアンチャン方は都会のセビロやジャンパアなどを買い集め、洋モクをくゆらしてダンスを踊る貴公子であるから、人三化七には見向きもしない。
オヤジとオフクロは馬吉に因果を含めた。この一件を不承知ならば、勘当する。目下、民主主義の時世であり、満二十歳を迎えると、独立の人格であるから、親でも、子でもないのである。まことに正論であるから、馬吉も悟るところがあった。義理人情がないということは、実にアッパレ、スガスガしいものだ。