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じんるいのせいぞんきょうそう

進化と人生(上)

丘 浅次郎

丘浅次郎『進化と人生(上)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:人類の生存競争、教育と迷信、誤解せられたる生物学、人道の正体、生物学的の見方、生物学より見たる教育、戦争と平和、動物界における善と悪、脳髄の進化、民族の発展と理科、理想的団体生活。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 82,343 字 · 164 页

青空文庫

これに反し鳥類獣類の多くは子を生んだのちも長く生存して子を保護し養い、充分に末の見込みのついたころにたいてい寿命が尽きるようである。人類もそのとおりで、人生五十ないし七十と経験上で定めた寿命は、二十五歳ないし四十歳くらいの時に生んだ子が平均二十歳二十五歳くらいになり、充分生存競争に堪えうるほどに成長したころまでである。これらの事実から考えてみると、生殖の目的を達したのちの親はもはやその種属の繁栄に対しては無用のものゆえ、たいていそのころを境として自然に寿命というものが定まったのであろう。

かように論じてみると、教育ということは完全に生殖の目的を達するために生殖の作用に続けて行なうところのものゆえ、生殖作用の追加と名づけてもよかろう。しかして単独に生活する動物では親が同じく教育をも司どるが、社会をなして生活する動物では社会中の個体の間に分業が行なわれ、生殖するものと教育を司どるものとの別が生ずる。蟻や蜂はその例であるが、人類もやはりその仲間で、親はもちろん自分の子を養育するが、そのほかに特別に教育だけを司どる職業の者ができている。また生殖の目的は種属の維持であると言ったが、社会を造っている動物ではこの種属と名づけた団体に幾つもの階級があるから、教育の目的もこれを行なう団体の階級の異なるにしたがい多少の相違