轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

うんめいろんしゃ

運命論者

国木田 独歩

「山比古 第十號」1903(明治36)年3月5日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,357 字 · 34 页

青空文庫

これが二本目です、未だ一本この砂の中に埋めてあります、無くなれば又買って来ます。」

自分は彼の差した杯を受け、少ずつ啜りながら彼の言う処を聞て居たが、聞くに連れて自分は彼を怪しむ念の益々高るを禁じ得なかった。けれども決して彼の秘密に立入うとは思なかった。

「それで先刻僕が此処へ来て見ると、意外にも貴様が既に此場処を占領して居たのです、驚きましたね、怪しからん人もあるものだ僕の酒庫を犯し、僕の酒宴の莚を奪いながら平気で書籍を読んで居るなんてと、僕はそれで貴様を見つめながら此処を去らなかったのです。」と彼は微笑して言った、其眼元には心の底に潜んで居る彼の優い、正直な人柄の光さえ髣髴いて、自分には更に其が惨しげに見えた、其処で自分も笑を含み、

「そうでしょう、それでなければあんな眼つきで僕を御覧になる訳は御座いません。さも恨めしそうでした。」

「イヤ恨めしくは御座いません、情なかったのです。オヤ/\乃公は隠して置いた酒さえも何時か他人の尻の下に敷れて了うのか、と自分の運命を詛ったのです。詛うと言えば凄く聞えますが、実は僕にはそんな凄い了見も亦た気力もありません。