轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

みちづれ

道づれ

宮本 百合子

「文芸」1937(昭和12)年11月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,491 字 · 41 页

青空文庫

重吉はまた別な感想をもって黙って歩いていたのであったが、

「ちょっとくって行こうか」

子供らしいように笑いのある眼差しで、支那ソバ屋の屋台の前へとまった。

三人はいかにも壮健な食慾でたべはじめた。

「ふ、すっかり曇っちゃった」

眼鏡をはずしてハンケチでそれを拭きながら、山原がすこし充血した近眼の目をよせるようにして、

「おい、あしたどうする」

二人のどっちへともつかず云った。

「俺は例の伯父貴にわたりがついたから行って見るんだ。先ずもって枢機に参画する必要があるからね」

山原には商工会議所の相当なところにいる伯父があって、将来の就職のこともかねて遠大な計画ありげに日頃から話していた。

光井がそれとは別に、

「ずっとうちかい?」

と重吉にきいた。

「夕方まで用事で出かけるが、あとはいるよ」

返事しながら、重吉はさっきポケットへ入れたばかりの銀貨の中から小銭をつまみ出して、赤や緑で花みたいな模様をかいた粗末な支那丼のわきへ置いた。

二

ガード下へかかると、電車の音も自動車の警笛の響も急にガーッと通行人の体を四方から押しつつむようにやかましくなる。黙ってそこを通抜けて真直歩いている宏子の生真面目な顔の上には、折々、何処へ行くんだろうという疑問の色が目にとまらないくらいに現れては消えた。