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みちのうえでみたはなし
道の上で見た話
小川 未明
「こどもペン 3巻4号」1949(昭和24)年4月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 3,679 字 · 8 页
しかし、この年とったりこうなおおかみも、鉄砲のたまをふせぐことはできなかったのです。ある日、りょうしにうたれて、きずついたからだで、みんなといっしょに、山おくの安全なところまでにげのびてきました。そして、ついに、力つきてたおれました。
「今夜、わしは死ぬだろう。」と、年とったおおかみは、いいました。
おおかみたちは、道案内者を失ったあとの不安と心細さから声をあげて泣きました。
「わしが、いなくなったら、新しい先達をえらぶがいい。ただ、いかなるばあいでもみんなは、ちりぢりになってはいけない。たがいに力をあわせて、助けあい、いままでのように、生活をつづけるのだ。」と、老いたおおかみは、いましめました。
夕やけは、さびしい、高い山の間にうすれて、おおかみたちの悲しくほえる声が谷々にこだましたのでした。
「そうだ。ぼくたちも、ちりぢり、ばらばらになってはいけない。正しい心と心がむすびついて、おたがいに生きぬく努力をしなければ!」と、ぼくは思ったのでした。
午後になると、ねえさんがきて、かわってくれたので、ぼくはしばらく、自由のからだになりました。
駅へむかう道の上で、なにかあるらしく人々が集まっているので、自分もいってみる気になりました。