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のろまにんぎょう

野呂松人形

芥川 竜之介

突然收到陌生人的邀请,去看一种快失传的古老木偶剧。黄昏时分赶到偏僻别邸,会发生什么意想不到的事?

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,229 字 · 7 页

青空文庫

僕は、この二人の友人に挨拶をして、座につく時に、いささか、※(アキュートアクセント付きE小文字)tranger の感があった。

「これだけ、お客があっては、――さんも大よろこびだろう。」Kが僕に云った。――さんと云うのは、僕に招待状をくれた人の名である。

「あの人も、やはり人形を使うのかい。」

「うん、一番か二番は、習っているそうだ。」

「今日も使うかしら。」

「いや、使わないだろう。今日は、これでもこの道のお歴々が使うのだから。」

Kは、それから、いろいろ、野呂松人形の話をした。何でも、番組の数は、皆で七十何番とかあって、それに使う人形が二十幾つとかあると云うような事である。自分は、時々、六畳の座敷の正面に出来ている舞台の方を眺めながら、ぼんやりKの説明を聞いていた。

舞台と云うのは、高さ三尺ばかり、幅二間ばかりの金箔を押した歩衝である。Kの説によると、これを「手摺り」と称するので、いつでも取壊せるように出来ていると云う。その左右へは、新しい三色緞子の几帳が下っている。後は、金屏風をたてまわしたものらしい。うす暗い中に、その歩衝と屏風との金が一重、燻しをかけたように、重々しく夕闇を破っている。