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きんぞくにんげん
金属人間
海野 十三
「サイエンス」1947(昭和22)年12月~1949(昭和24)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 78,616 字 · 157 页
警戒の方も、このくらいかんたんになっていることゆえ、世間も、この事件をもはやわすれかけていた。
はじめ事件の捜査の指揮をとっていた長戸検事は、もちろん、この事件をわすれてはいなかった。ひそかに毎日毎夜、頭をひねるのがれいになっていた。しかし表面にあらわれたところは、検事はやはりこの事件をわすれているように見えた。それは、この事件の捜査を蜂矢探偵に肩がわりをしたので、検事は任務から解放されたのだと、みんなはそう思っていた。
さて、蜂矢探偵のきょうのいでたちや、肩にかついだ道具は、なにを語るであろうか。
かれは、これまで針目博士邸につぎつぎに起こった怪事件を、くりかえし考えた。そのけっか、結論にたっすることができなかった。
(まだ方程式の数がたりないんだ)
結論をだすには、まだしらべがたりないところがあることが、はっきりわかったのだ。
そのたりない方程式の一つは、博士の第二研究室あとを掘りかえしてみることである。あの土の下から、かれは何ものかを発見したいと思っているのであった。
その爆破跡は、これまでに検察庁やその他の方面の人々の手によって、いくどとなく念入りに掘りかえされたのだ。