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きんぞくにんげん
金属人間
海野 十三
「サイエンス」1947(昭和22)年12月~1949(昭和24)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 78,616 字 · 157 页
すると川内警部がやってきて、博士の腕をむずとつかんだ。
「きみ、ごまかそうとしたって、そうはいかないよ。あと骸骨の戸は五、六、七、八と四つあるじゃないか。早く開いて見せなさい」
「あ、そんな大きな声を出しては――」
「これはわしの地声だ。どんなでかい声を出そうと、きみからさしずはうけない」
警部がどなるたびに、配電盤の計器の針がはげしく左右にゆれた。
そのときだった。室内にいた者はきゅうにひどい頭痛にみまわれた。誰もかれも、ひたいに手をあてて顔をしかめた。
それと同時に、骸骨のしるしのつけてあった陳列棚から、すーっと黒い煙が立ちのぼった。しかし「骸骨の四」のところからは出なかった。
「もう、いけない。危険だ。みなさん、外へ出てください」
博士が叫んで、さっき一同のはいって来た戸口の方をゆびさした。しかしその戸は、しっかりしまっていた。
「どうしたんです、針目博士」
検事がおどろいてたずねた。
「もうおそいのです。警部さんが、この部屋にねむっていた大切なものの目をさましてしまった。えらいことが持ちあがるでしょう。早くその戸口から逃げてください」
そういう間も博士は、まん中にすえてあったテーブルの横戸を開き、その中から潜水夫のかぶとのようなものを引っ張り出して、すっぽりとかぶった。