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きんぞくにんげん

金属人間

海野 十三

「サイエンス」1947(昭和22)年12月~1949(昭和24)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 78,616 字 · 157 页

青空文庫

だから、いよいよわが身に危険がせまったときに、博士は非常用の安全な場所へ、さっととびこんだ。ただしこれは、あなたがたのあとについて、隣の部屋へのがれることではなかった。つまり、べつに博士は非常用の安全場所を用意してあり、そこへのがれたと考えるのはどうでしょう」

「そういう安全場所のあったことを、焼跡から発見したのかね」

「いや、それがまだ見つからないのです」

「それじゃあ想像にすぎない。われわれとて、もしやそんな地下道でもあるかと思ってさがしてみたが、みつからなかった」

「わたしは、もっともっとさがしてみるつもりです」

「いくらさがしても見つからなかったらどうする。それまでこの事件を未解決のまま、ほおっておくわけにはゆくまい」

「そうです。博士の安否をたしかめるほかに、他のいろいろな道をも行ってみます。そのひとつとして、わたしは金属Qを追跡しているのです」

「え、なんだって、金属Qを追跡しているって。きみは正気かい」

長戸検事は目をまるくして、蜂矢探偵の顔を見つめた。

「検事さん。わたしはもちろん正気ですよ」

「だってどうして金属Qを追跡することができるんだい。そんなものは、どこにもすがたを見せたことがない」