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きんぞくにんげん

金属人間

海野 十三

「サイエンス」1947(昭和22)年12月~1949(昭和24)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 78,616 字 · 157 页

青空文庫

小杉少年は、蜂矢探偵があまり大胆すぎるので、気が気でない。

それから小杉少年は、玄関へとび出していった。玄関をあける音、それから客と小杉との対話が、客にはわからない秘密屋内電話の線をつたわって、蜂矢のところへ聞こえてくる。

それを聞いていると、怪しい客は、小杉の質問には答えようとはせず、ただすこしも早く蜂矢探偵に会わせてくれ、会うまでは、何にも説明しないとがんばっているようす。

「そんなことでは、先生に取次ぎができません」

というと、怪しい客は、

「そんなら、きみに取次ぎはたのまない。じぶんが奥へふみこんで、蜂矢探偵に面会をとげるであろう」

といって、かれは前に立ちふさがる小杉少年の胸をぽんと押しかえした。すると小杉は、うしろへひっくりかえった。怪しい客は、えらい力持だった。

怪しい客は、どしどし奥へはいりこんだ。そして蜂矢探偵が書斎にいるのを見つけると、つかつかとその前へ―。

「蜂矢君。茶釜の破片をわたしたまえ」

怪しい客は、しゃがれた声を出して、ぶっきらぼうにいう。

「いったいきみは、誰ですか」

蜂矢探偵は、しずかなことばで、怪しい客にたずねた。

「茶釜の破片をわたしたまえ。