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かねもちとにわとり

金持ちと鶏

小川 未明

「こども雑誌」1919(大正8)年10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,847 字 · 6 页

青空文庫

」といいました。

金持ちは話を聞いただけで、はやびっくりしました。そして、金網を張ったかごの中をのぞきますと、なるほど、首の長くて赤い、背の高い、けづめの鋭くとがった雄鶏と、一羽のそれよりやや体の小さい雌鶏がいました。

「鳥屋さん、ほんとうに珍しい鶏だね。」と、金持ちは喜びに喜びながら問いました。友だちに見せて、ひとつ驚かしてやろうと思ったからです。

「へい、へい、お珍しいということにかけては、どこへ出したって恥ずかしいことはありません。」と、鳥屋の主人は答えました。

金持ちは、この鶏をかごごと買って帰りました。明くる日、さっそく、友だちのもとへ使いをやって、世に珍しい鶏を手に入れたから、ぜひ、見にきてくれと告げました。

鶏好きの友だちは、どんな鶏を金持ちが買ったろうと思って、すぐにやってきました。

「珍しい鶏をお求めなさったというが、どれひとつ見せていただこう。」と、友だちは、金網を張ったかごの前に立って、内をのぞきました。

「なるほど、変わった鶏だな。」と、感嘆をしてながめていました。

そばに立っていた金持ちは、得意の顔つきをして鼻をうごめかしていました。