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ぎんがてつどうのよる
銀河鉄道の夜
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』。同一底本的分册已合并为一书。收入:銀河鉄道の夜、めくらぶどうと虹、おきなぐさ、四又の百合、貝の火、虹の絵の具皿。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 76,529 字 · 155 页
「うん。そうだろう。わしは正※知(しょうへんち)に百合(ゆり)の花をささげよう。大蔵大臣(おおくらだいじん)。お前は林へ行って百合(ゆり)の花を一茎(ひとくき)見つけて来てくれないか」
王さまは黒髯(くろひげ)に埋(う)まった大蔵大臣(おおくらだいじん)に言(い)われました。
「はい。かしこまりました」
大蔵大臣(おおくらだいじん)はひとり林の方へ行きました。林はしんとして青く、すかして見ても百合(ゆり)の花は見えませんでした。
大臣(だいじん)は林をまわりました。林の陰(かげ)に一軒(けん)の大きなうちがありました。日がまっ白に照(て)って家は半分(はんぶん)あかるく夢(ゆめ)のように見えました。その家の前の栗(くり)の木の下に一人のはだしの子供(こども)がまっ白な貝細工(かいざいく)のような百合(ゆり)の十の花のついた茎(くき)をもってこっちを見ていました。
大臣(だいじん)は進(すす)みました。
「その百合(ゆり)をおれに売れ」
「うん売るよ」子供(こども)は唇(くちびる)をまるくして答えました。
「いくらだ」大臣(だいじん)が笑(わら)いながらたずねました。