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ぎんがてつどうのよる
銀河鉄道の夜
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』。同一底本的分册已合并为一书。收入:銀河鉄道の夜、めくらぶどうと虹、おきなぐさ、四又の百合、貝の火、虹の絵の具皿。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 76,529 字 · 155 页
そのまっ黒な、松や楢の林を越えると、にわかにがらんと空がひらけて、天の川がしらしらと南から北へ亙っているのが見え、また頂の、天気輪の柱も見わけられたのでした。つりがねそうか野ぎくかの花が、そこらいちめんに、夢の中からでもかおりだしたというように咲き、鳥が一疋、丘の上を鳴き続けながら通って行きました。
ジョバンニは、頂の天気輪の柱の下に来て、どかどかするからだを、つめたい草に投げました。
町の灯は、暗の中をまるで海の底のお宮のけしきのようにともり、子供らの歌う声や口笛、きれぎれの叫び声もかすかに聞こえて来るのでした。風が遠くで鳴り、丘の草もしずかにそよぎ、ジョバンニの汗でぬれたシャツもつめたく冷やされました。
野原から汽車の音が聞こえてきました。その小さな列車の窓は一列小さく赤く見え、その中にはたくさんの旅人が、苹果をむいたり、わらったり、いろいろなふうにしていると考えますと、ジョバンニは、もうなんとも言えずかなしくなって、また眼をそらに挙げました。
(この間原稿五枚分なし)
ところがいくら見ていても、そのそらは、ひる先生の言ったような、がらんとした冷たいとこだとは思われませんでした。