轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

どうせんかいじへん

銅銭会事変 短編

国枝 史郎

国枝史郎『銅銭会事変 短編』。同一底本的分册已合并为一书。收入:銅銭会事変、大鵬のゆくえ、紅白縮緬組、三甚内。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 106,745 字 · 216 页

青空文庫

よしまたそれが出来るにしても、そうそう永く研究していたでは飯の食い上げになろうというもの。

「ところでわざわざ遠い宇治から麿を訪ねて参られた。火急の用のあってかな」

信輔は不思議そうに訊いたものである。

「火急と申すではござりませぬが、是非ともご前の彩管を煩わしたき事ござりまして参上致しましてござります」

……吉備彦は恭しく云うのであった。

不思議な願い

「ははあそれでは絵のご用か」

「仰せの通りにござります」

「よろしゅうござる。何んでも描きましょう」

信輔すぐに承引した。氏長者の依頼であろうとポンポン断る信輔が、こう早速に引き受けたのはハテ面妖というべきであるが、そこには蓋もあれば底もあり、実は信輔この吉備彦に借金をしているのであった。あえて信輔ばかりでなくこの時代の公卿という公卿は、おおかた吉備彦に借りがあった。それで頭が上がらなかった。恐るべきは金と女! もう間もなくその女も物語の中へ現われよう。

「ところでどういう図柄かな?」

「はい」

といって吉備彦は懐中から紙を取り出した。「どうぞご覧くださいますよう」

「どれ」

と信輔は受け取った。

「おおこれは……」