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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
野村胡堂『銭形平次捕物控(十)金色の処女』。同一底本的分册已合并为一书。收入:銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 137,868 字 · 278 页
手を尽して調べ抜いて、万に一つの手抜りのないところまで運んでおいたとは知るまい、――罠に陥ちたのはこの平次ではなくて、お前だった」
「それほど用心深い銭形平次が、お福の殺されるのを知らずにいたろう」
錦太郎は勝利感に陶酔して亢然となりました。
「よしよし、その気でいるなら逢わせるものがある、――それ」
平次の手が動くと、錦太郎の後ろの金屏風が取り払われました。その奥に置かれたように坐っているのは、何と、錦太郎が殺したと思い込んでいる、お福の健やかな姿ではありませんか。
「あッ、お前は、お前は」
驚く錦太郎。
「驚いたか錦太郎、聟に身代りがあれば、嫁にも身代りがある事に気が付かなかったろう。お前が匕首で突いたのは、忠義な下女のお常だ。振袖の下へ鎖帷子を着せておいたので、力任せで刺した匕首も、五分とは斬らなかったよ」
「…………」
錦太郎は何べんかお福に飛びかかりそうにしましたが、その都度、平次の眼に威圧されて、キリキリと歯を喰いしばるばかりです。
「便所の草履をはいて、庭木戸を開け、曲者か外から入ったように見せかけたり、八五郎の脇差で、自分の頬を斬って、自分の身体に付いた血を誤魔化したりしても、この平次の眼を騙すことは出来ない」