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ながぐつのはなし
長ぐつの話
小川 未明
「時事新報」1923(大正12)年8月26日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,208 字 · 5 页
子供は、足もとの小石を拾って、鳥らに向かって投げました。つばめは、驚いて、みんな一時に飛び立ちました。子供は、しばらくたたずんで、つばめの飛び立つ方をながめていました。
翌日も、また熱い日でありました。子供がちょうど、昨日石を拾って投げつけたところにきますと、またもつばめがたくさん電線の上に止まって、鳴いていました。今度は、すこし道から離れた田の上で鳴いていました。ちょうどその下には汽車の線路があって、土手がつづいていました。土手は、ここでは往来に接していましたが、やがて道から遠く離れて、あちらへいっていたのです。
子供は石を拾って、わざわざ線路の方まで、田のあぜ道を伝わってゆきました。そして、石をつばめに向かって投げようと思ったのです。
けれど、子供は、つばめの鳴いているのは、自分をばかにして鳴くのでないということを心に感じました。
その声は、なにかしきりに、自分に向かって、告げようとしているようです。子供は、つばめが止まっている、下の線路のそばを見ました。すると、そこには、はき古した、ぼろぼろに破れた長ぐつが一足捨ててありました。
子供は、「これだ! つばめが、俺に、くつの落ちていることを知らしてくれたのだ。