轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ながさきのいちべつ
長崎の一瞥
宮本 百合子
「宮本百合子全集 第十八巻」新日本出版社、1981(昭和56)年5月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,773 字 · 14 页
市が現在は、寧ろ歴史的背景によって存在して居るような状態でさえあるのに。各箇人としては充分に資料も持って居るのに、其を集めて博物館とする迄に到らない原因、確に永山氏の説かれる通り、長崎人の伝統的な気質――会所からの配当金で楽々生活して居た時代から、あくせく知らず――が重大な関係をもって居るだろう。その上、長崎人は、鹿児島の人々などと違い、自分達の祖先の生活に流れこんだ外国文明に、郷土文化との対立や文明史的の客観を持ち難い程、心持の上でコスモポリタンになって居るのではあるまいか。生活を来るがまま、流るるがまま、都市として持つ古さの自覚さえ忘れて、生きて居るのではあるまいか。或、真似がたい鷹揚さと云えないこともない。京都や奈良が、決して自分の年功を忘れない老人のようなのと、興味ある対照と思う。
午後になっても、Y切なく、外出覚つかない。番頭、頼山陽の書など見せてくれる。折々、港の景色をぼやかして、霧雨がする。お喋りの間に、長崎の女性評が出た。
「ここの女の人は、鹿児島の女と随分違うわね」
「違う、違う。鹿児島の女の人、何だか皆頬ぺたなんか艷々して居るようで、活々して、笑いんぼらしいけれど、長崎の女の人はどっちかというと――さあ何て云うのか――」