轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
とうそう
闘争
小酒井 不木
「新青年」1929(昭和4)年5月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 19,079 字 · 38 页
「すると、自殺をなさるような様子はなかったのですか」
「少しもありませんでした。平素比較的快活な方でしたから、まさかと思って居りました」
「ピストルはいつ御買いになりました」
「その同じ頃だと思います。強盗が出没して物騒だからといって買いました」
「御主人は平素巫山戯たことを好んでなさいましたか」
「何しろわがまゝに育った人で、たまには巫山戯たことも致しましたが、時にはむやみにはしゃぐかと思えば、時にはむっつりとして二三日口を利かぬこともありました」
「御主人には、親しい友人はありませんでしたか」
「なかったと思います。元来お友達を作ることが嫌いで御座いまして、自分の関係して居る会社へもめったに顔出し致しませんでした。たゞM――クラブへだけはよく出かけました」
「M――クラブというと?」
「英国のロンドンに居たことのある人たちが集って組織して居る英国式のクラブで、丸の内に御座います」
これで毛利先生は訊問を打ちきって、未亡人を去らせ、
「いくらたずねて行っても、わかるものでない」と、呟くように言われた。
「それでは、投書の主をたずね出して見ましょうか」と、福間警部が言った。