轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あなんとじゅじゅつしのむすめ

阿難と呪術師の娘

岡本 かの子

「読売新聞」1928(昭和3)年5月6日~6月19日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,425 字 · 58 页

青空文庫

だから渚が判らない。潮が干る時、渚の塵埃が目につくであろう。

娘 ――何と仰しゃってもわたくしの心は動きません。二人は宿命の上に立って居るのでございます。(懐より餅を取り出す。)阿難さま。これはあなたがわたくしに下された餅でございます。あなたは二つ付いたこの餅を、何と御覧なさいます。

阿難 ――わたしは清らかな繭と見る、また峯を連ねた雪の山だ。

娘 ――いいえ、この餅は二人のえにしの現われなのでございます。

阿難 ――いいや繭だ、雪の山だ。

娘 ――いいえ、これこそえにしの現われです。

(老女、銅刀を持って二人の中に立つ。両の乳房に血が染まって居る。)

老女 ――若い者等の口争い、見て居て歯痒い。娘よ。しばらく退くが宜い。わたしは阿難に話すであろう。

(老女改めて阿難の方に向き直る。)

阿難どの、今わたしはあなたに三つの道を与える。そしてあなたは、そのうちでただ一つの道だけ選ぶことが出来る。

阿難 ――何という権柄ずくの言葉だ。

老女 ――わたしは「母性」の名に於てこの事を申し出る。あなたの母御と同じ資格である「母性」に坐して申し出る。あなたも母なるものの心を汲み取って、この答えをして欲しい。