轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

かいだん

階段

海野 十三

「新青年」博文館、1930(昭和5)年10月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,588 字 · 32 页

青空文庫

女史は平然と答えた。僕は或いは自分の思いちがいで跫音をきき扉の鳴るのをきいたのかと思いかえしてもみたが、それにしてはあまりに明らかな記憶だ。階段が一種のリズムをもって鳴ったことをどうして忘れられようか。

今度はミチ子を尋問した。尋問というと固苦しく響くが、そんな固苦しい態度に出でなければミチ子と話なんか出来る筈のない僕であった。それは初恋の経験を持たれる読者諸君には、覚えのあることであろうと思う。そのミチ子――愛人ミチ子はあの事件の三十分前には確に図書室に居たが、事件の後一時間ほども所在が不明であった。

「ミチ子さん(こう呼んでもいいかしらと僕は思った)貴女はあの事件のあった時間、何処へいらっしゃいました」

「あたし? どこに居たっていいじゃないの」

と彼女は朗かだった。

「あれから一時間も貴女は室にかえって来ませんでしたね。どこへ行っていました?」

「ほほ、あたしは別段怪しかなくってよ。鳥渡外へ出て木蔭を歩いていただけなのよ。だけど、古屋さん、貴方自身は所長さんと嚢の中に入っていたようなもので、手を一寸伸ばせば所長さんの頸に届くでしょうね」

「馬鹿なことを!」