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りこんについて

離婚について

宮本 百合子

「女性の歴史」1948(昭和23)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,587 字 · 15 页

青空文庫

前年からみると、二割五分、戦前に比べれば「倍に近い」有様となっている。この現象はアメリカで一つの社会問題となっており、慎重な研究の対象としてとりあげられているばかりでなく、両親の離婚とその間におかれる子供の苦しみをテーマとした劇が上演され、多くの人に関心を与えた。

今日、日本でも離婚は急激に殖えている。戦争が家庭の破壊のために果した役割は、表面にみえるよりもはるかに深くはげしい。戦争中、何年も前線におかれた夫と、故国にのこされた妻との間には、夫が帰還してはじめて問題化するような多種多様な悲劇がかもされている。公報で戦死したものとされた夫が帰ってみれば、妻は弟と結婚していた、というような実例は、まだまだひとにも話せる悲劇の部類であった。

疎開、転入制限、これらも大幅に日本の家庭を破壊した。経済事情の極度の不安定。これも今日の離婚の動機をなす最も大きい理由である。これらの諸理由が離婚の動機になるほど、これまでの結婚というものが、日本では、つよい愛に立っての結合ではなくて、「家」のためか「世帯」のためか、身のふりかたの問題であったわけである。

日本のわたしたちは、結婚と離婚の自由ということについて、落着いて注意ぶかく現実的でなければならないと思う。