轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

でんきぶろのかいしじけん

電気風呂の怪死事件

海野 十三

「新青年」博文館、1928(昭和3)年4月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,788 字 · 34 页

青空文庫

赤羽主任が、尚もその先を辿って見ると、その電線の一端は、電灯線の所謂第四種線に絡まって由蔵の屍骸の傍に終ってい、他の一端を探ってみると、棟木の上に、ベルに用いるようなマグネットがあって、更に下部へ降りて男湯の天井を匍って電気風呂の男湯の配線の中へ喰い込んでいた。専門外のこととて瞭りしたことは判らなかったが、とにかく、簡単ながら、男湯の電気風呂へ、何かの仕掛けが施されていることだけは、誰にも首肯されたのであった。

赤羽主任の脳裡には、漸く事件の綾が少しずつ明瞭になってくるのを覚えた。そして、此の事件の犯人は、この天井裏に潜伏していて、望遠鏡と活動写真撮影機とを使用して、女湯の天井から、犯人の恋人ででもあるらしい肉体美の女を殺し、その藻掻き苦悶して死んでゆく所を、活動写真に撮影しようと思ったのでもあろうか。つまり一種の変態性慾者である。そして、その犯行を遂げるために、最初、男湯に強烈な電流を通じて、浴客の一人を感電せしめ、その混乱から人々の注意が男湯の方に集っている機に乗じ、犯人はその女を吹矢で殺して、その目的である活動写真撮影を完成し、兼ねて恋愛の復讐か何かを遂行したものであろう。