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でんきばと
電気鳩
海野 十三
「幼年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1937(昭和12)年8月~1938(昭和13)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 25,465 字 · 52 页
「そうだ、それもそうだな。じゃ、こんなかばんを大事にしておくんじゃなかった」
そういって団長は、その黒いかばんをかたからはずして、テントのすみにほうりなげました。そして、すっかり身がるになって、ゆかいにおどりはじめました。
そのとき、テントのすみから、小さい手がぬっとあらわれました。その手は、そろそろと、黒いかばんの方へちかづき、それを、じっとつかむと、するするとテントの外にひっぱりだしました。
あやしい小さい手です。それは、いったいたれの手だったのでしょうか。
めぐりあい
「しめしめ、電気鳩をうごかすきかいが手にはいったぞ。ようし、いまに見ておれ」
テントの外では、高一少年が黒いかばんをぶんどって、おおにこにこでありました。
「さあ、ここで、わる者どもが酒によっぱらっているうちに、ミドリをさがすのだ」
と、高一は勇気百倍して、ほかのテントへいってみました。
丘のかげに、ひとつのまっくらなテントがありました。どうやら番人がいそうもないので、高一は、もっていた懐中電灯をつけてみると、中には、船からもってきた荷物がたくさんつんであります。
「おうい、ミドリちゃんはいないか」