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でんきばと

電気鳩

海野 十三

「幼年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1937(昭和12)年8月~1938(昭和13)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 25,465 字 · 52 页

青空文庫

そのときでした。飛行列車がついらくをはじめたのは。

でも、ずっとはなれた高い空の上のことですから、二人はあとで、村の人から話をきくまで、気がつきませんでした。

ミドリは鳩舎をあけてやりました。するとお家の屋根にとまっていた鳩は、大よろこびで鳩舎の中へかえってきました。

しかしそのとき、きょうだいは意外なことに気がついて、目をみはりました。

きょうだいのおどろいたのもむりはありません。十羽いた鳩が九羽しかいないのです。さあ、一羽はどこへ行ってしまったのでしょうか。きょうだいは血眼で家のまわりをさがすうちに、うらの竹やぶのなかに、つめたくなっている鳩の死がいをみつけました。

「かわいそうに。お前はどうして死んだの」

「これはきっと、あの電気鳩のせいだよ」

「えっ電気鳩? 電気鳩ってなあに?」

そこで高一はミドリに、さっきの青い鳩にさわろうとすると、ゆびがぴりぴりしびれたことを話してきかせました。それで電気鳩、電気鳩と名をつけたんですが、ほんとうに電気鳩が、うちの鳩をころしたのでしょうか。まったく、きずひとつないのに鳩は死んでいるのです。

「ようし、一つ工夫をして、あの鳩をつかまえてやろう」