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でんきばと
電気鳩
海野 十三
「幼年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1937(昭和12)年8月~1938(昭和13)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 25,465 字 · 52 页
やがて夜があけました。たすけの船はと思ってあたりをたえずさがしたのですが、いじわるく、船のかたちも、煙のかげも見あたりません。どうなることかと思っているうちに、その日のおひるすぎになって、二人はどうじに、ぶうんという音を耳にしました。
「あっ、飛行機だ」
晴れわたった空を、手をかざしてさがしてみますと、あっ見えました見えました、一だいの飛行機がたかいところをとんでいます。
「おお、こっちへくるらしい」
助けをよぼうか、どうしようか、と思っているうちに、飛行機は、ぐっと前の方をさげました。敵か味方か、どっちの飛行機でしょうか。
はたらく電気鳩
高一少年は、スパイ団にとりこにされた妹ミドリをすくいだして、無人島をあとに、ボートにのってにげてゆきます。ボートのなかには、高一がスパイ団からぶんどった電気鳩と、その鳩をうごかすきかいのはいったかばんとをつんでいます。これはたいへんなお手がらです。ボートをこいで、沖の方にでてゆくうち、一だいのあやしい飛行機が、二人の頭の上にあらわれて、あらあらしくさっとまいさがってきました。敵か味方かと思っているうちに、飛行機は、まっしぐらにばくだんをはなちました。