轻松读懂日语经典作品
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しもばしら
霜柱
山本 周五郎
「オール読物」文藝春秋新社、1960(昭和35)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,328 字 · 29 页
とおかやが云った、「義十郎さまは小さいときから躯がお弱くて、なにか気にいらないことがあるとか、ちょっとでも叱られたりするとすぐにひきつけを起こし、医者だ薬だという騒ぎになったそうです、なにしろ結婚なすってから九年めとかに生れた一人息子で、可愛さも可愛かったでしょうけれど、そういうわけでうっかり叱ることもできない、我儘いっぱいに育ったんですね、道楽が始まったらもう手もつけられない、お屋敷の金や品物を持ち出す、お茶屋に泊って十日も帰らない、博奕場で喧嘩をするという始末で、とうとう繁野さまもがまんが切れたのでしょう、いまから八年まえに勘当なすってしまいました」
喜兵衛は酒を啜り、からになった盃をぼんやり眺めていた。
「それだけならまだいいのですが」とおかやはなお続けた、「勘当になってここを立退くとき、博奕場で暴れて三人にけがをさせ、中の一人は片輪になったということです、勘当したあとのことですから、べつにお咎めの沙汰はありませんでしたけれど、繁野さまはたいそう心配なすって、その三人を訪ねて詫びを云い、お金もたくさんお遣いになったうえ、半年ばかり閉じこもって謹慎をなさいましたわ」