轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ろはんせんせいのおもいで

露伴先生の思い出

和辻 哲郎

「文学」1947(昭和22)年10月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,158 字 · 9 页

青空文庫

だから先生がいち早く身をひかれたのはいかにももっともなのであるが、しかしまたそれだけに先生の廓清的な仕事の余地もあったのである。

先生の探求心が晩年まで衰えなかったことの一つの証拠は『音幻論』であるが、伝え聞くところによると、先生はあれを病床で口授せられたのだという。先生は丹念にカードを作る人であったから、調べた材料は相当に整理せられていたのでもあろうが、しかしああいう引例の多い議論を病床で口授するということは、どうも驚くのほかはない。おそらくあの問題を絶えず追いかけているうちに、頭のなかで議論のすじ道ができあがってしまったのだろうと思う。これはよほど粘り強い、頑強な探求心のしわざである。もちろんそこにはわれわれの思いも及ばない旺盛な記憶力が伴なっているのではあろうが、しかし記憶力だけではかえって雑然としてまとまりがつかないであろう。雑多な記憶材料に一定の方向を与え、それを整然とした形に結晶させた力は、あくまでも探求心である。

言語の問題に関しては先生はいつも活発な関心を持っていられた。わたくしのわずかな接触の間にも、この問題についておりにふれて教えられたことは、かなり多く記憶に残っている。