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あおいランプ
青いランプ
小川 未明
「週刊朝日 17巻7号」1930(昭和5)年2月9日
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 6,233 字 · 13 页
」と、口をいれたのです。
「いいえ、それは迷信というものだ。今夜、青いランプをつけてみようじゃないか?」と、家の人のうちでも、きあわせた人たちと、口をそろえていったものもありましたので、つい、しかたなく、反対したものも同意することにしました。
みんなは、日の暮れるのを待っていました。そして、しまってあった、昔のランプを出してきました。
幾十年前からかしれない、石油のしみや、ほこりが、ランプのガラスについていました。
「石油が、一たれもはいっていない。」
一人は、のぞいてみながら、
「いつ、つけたかわからないのだから、かわいてしまったのだ。」といいました。
石油を持ってきて、ランプに注ぎました。そのうちに、日は、暮れてしまいました。窓からは、北の荒い海が見えます。秋から冬にかけて、雲のかからない日は少なかったのであります。冷たそうな雲が、沖にただよって、わずかに、うす明かりが残っていました。
「さあ、ランプをつけるから、電燈を消すのだよ。」と、一人がいいますと、急にみんなは、ぞっとして、だまってしまいました。へやの中は、まっ暗になりました。あたりが静まると、浪の音が、ド、ド、ドンと聞こえてきました。