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あおいたまとぎんいろのふえ

青い玉と銀色のふえ

小川 未明

「たのしい三年生」1957(昭和32)年1月

N4 · 入门 · 新字新假名 · 2,190 字 · 5 页

青空文庫

「これには、ご先祖のたましいがはいっているんです。」といっておかあさんがこの青い玉をだいじにしたのも、ふしぎではありません。

おとうさんの持っていた銀色のふえは、その音色を聞くと、さびしいあら海にすさぶあらしのように、なんとなくひとりぼっちの感じを起こさせたり、またあるときは、反対に心を引きたてて、のぞみとよろこびをもたせることもありました。

そして、このふえの音がとどくところ、魚たちがその音をしたってよってくるので、思わぬ大漁がありました。

「まったくふしぎなふえじゃないか。」

「なんにしてもありがたいことだ。」

漁に出た人々は、なみ子のおとうさんの銀色のふえを手にとって、ふしぎそうにながめるのでした。

このふえもやはり、おじいさんのころからつたわっていましたので、これにも先祖のたましいがこもっていると、おとうさんは信じていました。

なみ子は、おとうさんが心をこめて、このふえをふいた日のことをおぼえています。

その日、海の上には、黒い雲がはびこり、いかにも北の国らしいものすごいけしきでした。

雲の間からいな光がもれ、かみなりが鳴っていました。

「こんな日には、はたはたがとれそうだ。