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あおいふろしきづつみ

青い風呂敷包

大倉 燁子

「キング 一三巻四号」1937(昭和12)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,612 字 · 28 页

青空文庫

間もなく自動車番号によって所有者ツバメ・タクシーの主人が召喚された、その車は昨夕交代時間に吉川が運転してガレージを出たものであると彼は云った。

一日に二つの殺人事件が続発したのに捜査課では狼狽し、全機関を総動員して犯人逮捕に努力したが、初子以外には一人の容疑者も挙らなかった。

杉村はいらいらしながら本庁へ帰って来ると、山本桂一が彼を待っていて、

「今、カフェー・ドラゴンの美佐子という女給に会ったら、昨夜十時頃、吉川がドラゴンの前から百合子と一緒に自動車に乗って、どこへか行くのを見たと云うんですが、二人とも死んでしまっているから分らないけれど――、まさか、初子が二人を殺したとは思われません、杉村さんは疑っていられるようですが――」

「犯人が挙らないうちは、僕は誰れにでも疑いの眼を向けているよ」

「美佐子は何か知っているらしいんですが、僕には遠慮して話しません、憖い隠しだてされるとやり難いんですが――、それはきっと初子に取って不利な事なんでしょう、しかし、僕の主義として徹底的に調べたいんです。少しでも不審の点があればたとえ妻であっても容赦しません、が、僕はまだ初子を信じていますから――」