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あおいふろしきづつみ
青い風呂敷包
大倉 燁子
「キング 一三巻四号」1937(昭和12)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,612 字 · 28 页
「しばらくでしたわねえ」とにっこり笑った。その一言で彼は有頂天になった。
「どこへ行くの?」と急き込んで訊いた、百合子はもじもじしながら、
「姉さんのところへ、――ちょいと、あの急用が出来て――」と言いながら、救いを求めるように美佐子へ、合図の眼を向けた。飛んだところで掴まってしまった、と美佐子は心配して、初子を呼びに行こうと思ったが、この場を離れたら百合子が嘸ぞ困るだろうと思い、思案にあまって茫然していると、吉川が、
「美佐ちゃん、邪魔すると承知しないぞ」恐い眼でじろりと睨んだ、美佐子は縮み上った。
「百合ちゃん、君に話したいことがあるんだ。ちょっと、一緒にそこまでつきあってくれ」
「じゃ、ちょいと、姉さんのところへ行って来て、それからでいいでしょう?」
「いけない、いけない。こっちは急ぐんだから」
躊躇している彼女を引き摺るようにして連れて行った。美佐子はそれを見ていながら、引きとめることが出来なかった。
「刑事さん、私の知っているのはそれだけです」
「それぎり百合子は姉さんのところへ来なかったか?」
「来ませんでした。初子さんは大変待っていましたけれど――。