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あおいふろしきづつみ
青い風呂敷包
大倉 燁子
「キング 一三巻四号」1937(昭和12)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,612 字 · 28 页
半信半疑のうちはよかったが、事実であると分ってみるとやはり気持ちがよくないのでしょう。さっぱりした人だったのに、急に気難しくなり、大変に疑りっぽくなって、百合子が外出から帰れば吉川に逢いに行ったんだろうと誤解するし、お客が来たと云えば、吉川か、という風に邪推を廻しては怒るんです。それで今、二人の間もごたごたしていますの、吉川さんは吉川さんで、パトロンの出来たのを怒って、昨夜も私のところへ文句をつけに来ました」
と云って、ハッとしたように口を噤ぐんだ。杉村はそれを聞き逃がさず、畳かけるように詰問した。
「君のところへ? 昨夜? 何時頃だ?」
初子はうっかり口を辷べらせて余計な事を饒舌ってしまったと後悔したが、仕方なく、
「十時頃だったと思います。百合ちゃんとの仲を割いたのは初ちゃんお前だねッて、恨めしそうな顔をするんですのよ。それでなくってさえあの人の顔、気味が悪いのに――、私、ゾッとして、お店の方へ逃げて行きました。そしたら、吉川さんプンプン憤って帰ったそうですのよ」
「それから吉川がまた引返して来たんだろう?」
「否え、それっきりお店へは来ませんでした」