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せいねんのいきるみち
青年の生きる道
宮本 百合子
「青年文化」1946(昭和21)年5月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,672 字 · 14 页
村の生活では若い者と年輩の者との順位というものはきびしく、村民の寄合いの席順から発言の権利まで同等ではない。都会の工場労働者は、大人になった熟練工よりも、青年工を使った方が賃銀が安いということから、いつも青年労働者を多く使う。または女を使う。
このあいだ政府はインフレの物価騰貴につれて最低賃銀の基底を公表した。若い人々はあれをみて何を感じたであろうか。男子三十歳から五十歳が最低四百五十円といわれている。では二十八歳の青年、二十五歳の者、二十二歳の者、その人々の労働の報酬はどうなるのだろう。最低はいくらと決められるのだろう。女は三分の一の百五十円と決められた。いつも婦人と青年とがより悪条件で働かされて来たこれまでのしきたりから言えば、三十歳未満の青年は、つまりは女なみだということだろうか。
これは奇怪千万なことだと思う。婦人が戦争中、戦争が終った今日、どれほどの数で一家の支柱となっているかわからない。同じように兄にかわって、父にかわって一家の経済の柱となっている青年達は、おびただしい数だろうと思う。インフレ防止と言ってモラトリアムがしかれたが、私達の大部分は、モラトリアム公表の一日前に五十銭札で隠しておく二千円、三千円という金を持ってはいなかった。