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『しゅっけとそのでし』のついおく

青春をいかに生きるか

倉田 百三

倉田百三『青春をいかに生きるか』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『出家とその弟子』の追憶、愛の問題(夫婦愛)、学生と教養、学生と生活、学生と先哲、学生と読書、女性の諸問題、人生における離合について、婦人と職業、芸術上の心得。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 94,413 字 · 190 页

青空文庫

しかしもとより生活の趣味がモダンでなくてはならぬというのではない。そういう生活様式の新旧に宗教が障げられるものでないことをいうのにすぎない。

信仰の中心はそういう様式上の問題などにあるのではなく、安心立命の問題にあるのだ。自分のうけているこの一個のいのちがこの宇宙とひとつに帰して、もはや生きるもよし、死ぬるもよしという心境に落ち着くところにあるのだ。それは人間にとって、女にとっても男にとっても第一義の問題である。宗教がなくてもいいということが理不尽なのは、この第一義がなくてもいいということになるからだ。この第一義が決定することを「生死をはなれる」というのだ。

この第一義がきまると、いろいろな心の働きがその心境からおのずと出てくる。目は英知に輝き、心気は澄んでくる。いろいろな欲望や、悩みや、争いはありながらも、それに即して、直ちに静かさがあるのである。これを「至徳の風静かに衆禍の波転ず」と親鸞はいった。「生死即涅槃」といって、これが大涅槃である。涅槃に達しても、男子は男子であり、女子は女子である。女性はあくまで女性としての天真爛漫であって、男性らしくならなければ、中性になるのでもない。