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『しゅっけとそのでし』のついおく
青春をいかに生きるか
倉田 百三
倉田百三『青春をいかに生きるか』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『出家とその弟子』の追憶、愛の問題(夫婦愛)、学生と教養、学生と生活、学生と先哲、学生と読書、女性の諸問題、人生における離合について、婦人と職業、芸術上の心得。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 94,413 字 · 190 页
ケーベル博士は「結末をつける事、此れ何たる芸術であろう」といっていられる。動きのとれなくなった愛欲関係になおひかれて相互の運命を破局に導き、世法の威厳を踏みにじるのはたとい同情すべきであっても、正しいことではない。そこに強き意志と深き英知とを働かして「芸術ある」結末をつけねばならないのである。素よりかような結末には深きつつしみと心遣いとがなければならないのはいうまでもない。多年愛し合った男女が別れて後互いに弱点を暴露して公に争うが如きは醜き限りである。願わくば別離を経験したことによって、前にも書いたようにその感情の質が深くそして濡れてくるような別離をしたいものである。愛する者の別離は胎盤が子宮から離れるように大きな傷をその人の霊魂に与えるものである。したがってその際の心遣いは慎重で思いやり深くなければならないのである。
こうした別離は男女関係ばかりではない。朋友も師弟も理義によっては恩愛を捨てて別離しなければならないこともある。かくしてニーチェはワグネルと別れ、日蓮は道善房と別れねばならなかった。清澄山の道善房はむしろ平凡な人であったが、日蓮が法華経に起ったとき、怒って破門した。