轻松读懂日语经典作品
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あおおにのふんどしをあらうおんな
青鬼の褌を洗う女
「愛と美」朝日新聞社、1947(昭和22)年10月5日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 40,368 字 · 79 页
と母は溜息をもらしたものだ。
「早く日本が負けてくれないかね。こんな貧乏たらしい国は、私はもうたくさんだよ。あちらの兵隊は二日で飛行場をつくるんだってね。チーズに牛肉にコーヒーにチョコレートにアップルパイにウィスキーかなんかがないと戦争ができないてんだから大したものじゃないか。日本なんか、おまえ、亡びて、一日も早くあちらの領分になってくれないかね。そのとき私が残念なのは日本の女が洋服を着たがることだけだよ。着物をきちゃいけないなんてオフレが出たら、私ゃいったい、どうすりゃいいんだい。おまえは洋装が似合うからいいけれど、ほんとに、おまえ、そのときはシッカリしておくれよ」
要するに私の母は戦争なかばに手ッ取りばやく日本の滅亡を祈ったあげく、すでに早くも私をあちらのオメカケにしようともくろんだ始末で、そのくせ時ならぬ深夜に起き上って端坐して、雪夫や許しておくれ、などと泣きだしてしまう。雪夫や、シッカリ、がんばれ負けるなというかと思うと、じれったいね、おまえ飛行機乗りは見張りがついてるわけじゃないんだから、敵陣へ着陸して、降参して、助けて貰えばいいじゃないか。