轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ガドルフのゆり
風の又三郎
宮沢賢治『風の又三郎』。同一底本的分册已合并为一书。收入:ガドルフの百合、マグノリアの木、とっこべとら子、祭の晩、なめとこ山の熊。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 23,150 字 · 48 页
と何だか謡曲のような変なものを低くうなりながら向うへ歩いて行きました。
六平は十の千両ばこをよろよろしょって、もうお月さまが照ってるやら、路がどう曲ってどう上ってるやら、まるで夢中で自分の家までやってまいりました。そして荷物をどっかり庭におろして、おかしな声で外から怒鳴りました。
「開けろ開けろ。お帰りだ。大尽さまのお帰りだ」
六平の娘が戸をガタッと開けて、
「あれまあ、父さん。そったに砂利しょて何しただす」と叫びました。
六平もおどろいておろしたばかりの荷物を見ましたら、おやおや、それはどての普請の十の砂利俵でした。
六平はクウ、クウ、クウと鳴って、白い泡をはいて気絶しました。それからもうひどい熱病になって、二か月の間というもの、
「とっこべとら子に、だまされだ。ああ欺されだ」と叫んでいました。
みなさん。こんな話は一体ほんとうでしょうか。どうせ昔のことですから誰もよくわかりませんが多分偽ではないでしょうか。
どうしてって、私はその偽の方の話をも一つちゃんと知ってるんです。それはあんまりちかごろ起ったことでもうそれがうそなことは疑いもなにもありません。