轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
かぜはかせ
風博士
「青い馬 第二号」岩波書店、1931(昭和6)年6月1日
N1 · 挑战 · 新字新假名 · 5,389 字 · 11 页
一人は禿頭にして肥満すること豚児の如く愚昧の相を漂わし、その友人は黒髪明眸の美少年なりき、と。黒髪明眸なる友人こそ即ち余である。見給え諸君、ここに至って彼は果然四十八年以前より禿げていたのである。於戯実に慨嘆の至に堪えんではない乎! 高尚なることの木の如き諸君よ、諸君は何故彼如き陋劣漢を地上より埋没せしめんと願わざる乎。彼は鬘を以てその禿頭を瞞着せんとするのである。
諸君、彼は余の憎むべき論敵である。単なる論敵であるか? 否否否。千辺否。余の生活の全てに於て彼は又余の憎むべき仇敵である。実に憎むべきであるか? 然り実に憎むべきである! 諸君、彼の教養たるや浅薄至極でありますぞ。かりに諸君、聡明なること世界地図の如き諸君よ、諸君は学識深遠なる蛸の存在を認容することが出来るであろうか? 否否否、万辺否。余はここに敢て彼の無学を公開せんとするものである。
諸君は南欧の小部落バスクを認識せらるるであろうか? もしも諸君が仏蘭西、西班牙両国の国境をなすピレネエ山脈をさまようならば、諸君は山中に散在する小部落バスクに逢着するのである。この珍奇なる部落は、人種、風俗、言語に於て西欧の全人種に隔絶し、実に地球の半廻転を試みてのち、極東じゃぽん国にいたって初めて著しき類似を見出すのである。