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ふうりゅう

風流

坂口 安吾

「新潮 第四八巻第十三号」1951(昭和26)年12月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,419 字 · 19 页

青空文庫

穴居どころか、人間自体が案山子のような雀なみの存在になっても、日本人の風流だけはまだ必ず生きているし、益※(二の字点、1-2-22)深遠不可解な心境や原理を呟きつづけているだろうと私はそう信ずるに至ったのである。

全世界に雨の如くに水素バクダンがふりそそいだあとで、生き残った人間の中に日本人もいたとすると、そのとき地上に残った唯一の文化は風流だけだろう、と私は思った。ともかく、そのときは、否、その後の数年間、まア、六年間ぐらいは、風流を文化とよんでも差支えのない期間があるかも知れない。

暗く重いことを考えなければならない日が多くなった。不幸にも私が風流の奥儀を忘れたからだ、当分は風流の天下であろう。

『新潮』昭和26・12