轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ふうちそう
風知草
宮本 百合子
「文芸春秋」1946(昭和21)年9~11月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 44,107 字 · 88 页
その束の中に、一通の電報があった。デタラスグカエレイエノヨウイモアル。同志二人の連名である。丁寧にたたんで使いのこりの封緘の間にはさまれているその電報を見たとき、ひろ子は、それを監獄で読んだときの重吉の思いを、そのまま、わが胸に感じた。網走へ。宮城へ。この電報はうたれた。その「イエ」は、この自立会のことであった。
壁が乾きたての小アパートという風なその二階建の建物は、ひろい農地のまんなかにポツンとたって秋日和に照らされている。門と玄関口との間が広場で、その一方に足場をほぐした丸太や板がつみ重ねてあった。それによりかかったりして、十五六人の女のひとたちがかたまっていた。まちまちの服装で、だれもかれも大きい袋持参で子供づれのひとも多い。子供たちは母のまわりをはなれないようにしながら、その辺で遊んでおり、赤ちゃんを洋装の上におんぶした若い母が、集って何か笑っている。一年生の遠足でもあるのをそこで待ちあわせている姉や母たちというその場の空気である。牧子は、
「大分お集りだこと……」
小声になって、自分と子供はひろ子からはなれるようにした。
「わたしは、ただあなたにお目にかかりたくて来たんですから、皆さんとは別なんです。