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ひこうきのしたのむら
飛行機の下の村
宮本 百合子
「文学新聞」日本プロレタリア作家同盟機関紙、1931(昭和6)年10月10日創刊号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,438 字 · 5 页
「看守が来ると、おーい、年とって目が見えんからお前見とくろっちゃ、毎日虱とっとった」
×××老人は、皺だらけの顔で言葉少にその時のことを話し、愉快そうにハッハッと笑った。
まわりの手入れの行届いた畑には、薯、菜、大根、黍、陸稲なんかが育ってる。部落組合員は、経済恐慌と闘争の激化につれて「闘いのための生産へ!」というスローガンで市場へ売り出す白菜や南京豆の代りに、こういうものを作りはじめたんだ。
×
天井の棟から、五分芯ランプが下ってる。左翼劇場のビラの下に壁へ濃い陰影をおとしながらギッシリつめかけて坐ってるのは、婦人部の連中だ。二十すぎから四十前後の組合員のお神さんたちで、子供づれもある。隅の布団にくるまってもう二人の子がスヤスヤ眠っている。
××君の非常にうまい司会で、ソヴェト同盟の農村と婦人の話がすんだところだ。四・一六の前から、救援運動を通じごく実践的に組織されて来た婦人部だし、みんな年配で経験は深いし、ソヴェト同盟農村託児所の話、産院、休みの家、勤労婦人の種々な権利についての話は、実際の興味をひいた。
ソヴェト同盟の話は、われわれの今日の情勢とひとりでに結びつき、戦争の話も出た。