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もちのタタリ
餅のタタリ
「講談倶楽部 第六巻第一号」1954(昭和29)年1月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,869 字 · 18 页
切り落した根と頭の部分は助六のよんだ人足が運んで行った。そしてそれから十日ほどの後、助六は紋服に袴、頭には山高をかぶって家をでたが、その夕方、大八車につきそって戻ってきた。その車にはシメナワをまわして御幣を立ててウスとキネが御神体のようにのッかっていたのである。
「これが先祖代々わが家に伝わった御神木の根の方と頭の方だ。以後これが当家の家宝であるから、火事があっても、これだけは守らなければならない。また、新年には、これで餅をついて賑やかに祝え」
ウスとキネを神棚の下にすえて、彼は家族に申し渡した。
「これからはオレも生れ変って働く。オレはオレで働くから、お前たちは今まで通り、野良で一生ケンメイ働くのだぞ」
彼自身は野良にはでなかった。大工を入れて、杉の木が倒れて塀のこわれた場所で、自ら指図してせッせと工事をはじめた。塀の修繕ができるものと思っていたところ、ある夕方戻ってみると、ウナギの寝床のような小屋ができあがっている。翌日は看板屋がきてペンキの看板を書き、また翌日には一台のトラックがパチンコの機械を運びこんだ。女房や長男が表の方へまわってみると、看板には「大当り神木軒」