轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

えさ

餌

宮本 百合子

「宮本百合子全集 第十五巻」河出書房、1953(昭和28)年1月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,445 字 · 7 页

青空文庫

いつも、さくさくとした細やかな実が、八分目以上も盛られたのばかりを見馴れた自分の眼に、六寸程の直径を持った瀬戸物の白い底が、異様に冷たく空虚に見えた。微かなショックに似たものをさえ、私は胸の辺に覚えた。

今朝目を牽いた床の間の粟の理由も自ら明かになった。餌壺は、恐らく昨晩のうち、僅かの選屑と、なかみを割って食べた殼ばかりになって居たのだろう。二時迄机に向って居なければならなかった私共に、其を知る余裕はなかった。

気の毒な小鳥等は、日の出とともに眼を醒し、兎に角嘴に割れるほどの実は食べつくし、猶漁って羽叩くので、軽い粟の殼は、頼りなくぱっと飛んで床の間に落ちたのであったろう。

始めて私が見た時から、彼等はきっと、いつ餌壺が満されるのかと、情けなく眺め、囀って居たに違いない。不意に赤い小鳥の屍を見た時より、私は相すまない心持に打たれた。

私は急いで粟の箱をさがした。そして、落し戸をあげ、餌壺を出して、塵を吹き吹き、二つの掌から粟を満した。次手に水も代えた。余程空腹であったのだろう。手を入れた時、さっと上の止り木に舞い上った鳥等は一枝、一枝と降り、私の指先がまだ皆は籠から出ないうちに、もう群れ集って食べ始めた。