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きちくのことば

鬼畜の言葉

宮本 百合子

「青年新聞」1949(昭和24)年5月24日号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,082 字 · 5 页

青空文庫

「天声人語」がとりあげて語るところは、この一人の幼児の生命のためにサン・マリノの全住民がケティを救えと協力したばかりでなく、ラジオを通じてほとんど全米の注意がケティの安否に向けられた点だった。人の命を荒っぽく扱うにならされた日本のすべての人が、ひとの命、自分の命の尊厳を知ること。人間同士にそくいんの情をもつこと。その心がつちかわれないなら日本の民主化とか平和への希望というものは根をもたないことを強調していた。これは、吉村隊の惨虐を筆頭として、それに類する数々の軍国主義教育の荒々しさ、殺戮性への抗議として読者の心にアッピールした。平気でバサリとやる馘首も、惨澹たる生存威嚇であるという事実にまで思い及んで。――

ところが、四月号の『中央公論』に「極東情勢の新展開と日本」という座談会記事がある。ニューヨーク・タイムズ東京支局長リンゼー・パロット氏、AP東京支局長ラッセル・ブラインズ氏に対して日本人として鈴木文史朗氏が出席している、肩書はリーダーズ・ダイジェスト日本版編集長とある。座談会はロイヤル長官の談話そのほかいくつかのトピックで進められているが「切迫せる人口問題」