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おにたいじ
鬼退治
下村 千秋
「赤い鳥」赤い鳥社、1925(大正14)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,214 字 · 11 页
それから四、五年の間、その寺は荒れるままに任せて、狐や狢の住み家となっていたが、それでは困るというので、村の人たちは隣村の寺から一人の若い坊さんを呼んで来てそこの住職とした。すると十日もたたないうちに、その住職は姿をくらましてしまった。やっぱり若いから一人では恐ろしくて住んでいられないのだろうと村の人は思い、今度は五十ぐらいのお坊さんを外の寺から頼んで来てその寺に住まわせた。が、このお坊さんは十日とたたぬうちに死んでしまった。いや死んだのではなく頭だけ残して胴や手足は骨ばかりになって殺されていたのであった。おおかた何かの獣に食われてしまったのだろうと村の人たちは言い合った。
三人目のお坊さんが外の寺から頼まれて来た。このお坊さんは元は武士であったので、今度は獣の餌食になるような意気地なしではなかろうと、村の人たちは安心していた。
ところが五、六日してこの坊さんは、左腕をつけ根の所から何かに食い取られて、生き血を流しながら村へ逃げて来た。
「どうしたのだ、何奴に食われたのだ。」と村の人たちはよってたかってきいた。
「鬼だ。あの寺には鬼が住んどる。口が耳まで裂けている青鬼赤鬼が何匹もいて、おれをこんな目に会わしたのだ。