轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
まぞう
魔像
林 不忘
新版大岡政談
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 131,494 字 · 260 页
源助町の勢は驚いたろう。何しろ半九郎方で暴れているはずの神尾喬之助が、いきなりここへ飛び出したのだから――もっとも、こっちがほんとの喬之助なんだから、知っていれば、べつに不思議はないけれど……。
未明、さわぎを聞いた御用の者が駈けつけて来て、剣林、勝負をそのままに四散したが、こうして、江戸の春は更けて、やがて青葉若葉の初夏となった。本郷追分のさき、うなぎ畷と呼ばれるところに、西丸御書院番、長岡頼母の屋敷、全番士が寄り合って対喬之助策協議の最中、あるじの頼母が見つけたのだ。自室の障子に紙札がかかっている。
┌────┐
│ 忌中 │
└────┘
……このおれが、生きている死人! とは? 頼母、蒼白になっていた。
ここに居る!
一
あの夜、富士見の馬場の乱闘は、無勝負に終ったのだった。こうだった。喬之助の知らぬうちに、四番首挙げて悦ばせてやろうと、茨右近が独断で、四谷自証院、瘤寺裏の横地半九郎方へ斬り込んで、居合わせた松原源兵衛をその四番首にした時、先方にも備えがあって、芝源助町の神保造酒、無形一刀流の道場から、春藤幾久馬、遊佐剛七郎、鏡丹波の三剣士が夜番に頼まれて来ていたのだが、そのうち、三人では扱い切れぬと見た鏡丹波が飛び出して、芝の道場へ三羽烏の一人を迎いに走るのを認めたのが、右近の影のよう