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あゆのくいかた
魯山人の食卓
北大路 魯山人
北大路魯山人『魯山人の食卓』。同一底本的分册已合并为一书。收入:鮎の食い方、いなせな縞の初鰹、鰻の話、京都のごりの茶漬け、車蝦の茶漬け、塩昆布の茶漬け、鍋料理の話、握り寿司の名人、日本料理の基礎観念、鱧・穴子・鰻の茶漬け、一癖あるどじょう、河豚は毒魚か、鮪の茶漬け、鮪を食う話、味覚馬鹿、夜寒に火を囲んで懐しい雑炊。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 54,022 字 · 115 页
養殖うなぎのように餌をやって育てたものでも、土地や池によって非常な差異が生じている。つくられたものでさえ差異が生じるというのは、一に水のせいもあるし、海から入り込む潮の関係も考えられる。が、なんといっても問題なのは飼料である。飼料によって、うなぎの質に良否の差異が生じて来る。養殖うなぎでも適餌をやれば美味いうなぎになるだろう。だが、うなぎ養殖者は、とかく経済面のみ考えて、できるだけ安価な餌で太らせようとばかり考え、いきおい質が天然うなぎから遠ざかりすぎるのである。経済ということも一理ではあるが、かといって、いくら金をかけたところで、所詮、人間はうなぎの大好物がなんであるかを知ることは困難のようである。
餌のことをもっとはっきりさせるために、すっぽんを例にとろう。すっぽんの好物は、あさりやその他の小さな、やわらかな貝類である。一枚歯のすっぽんの大腸をみると分るが、彼らは貝を好んで食うために腸内部が貝類で埋っている。だが、すっぽん養殖者は、彼らにその嗜好物を供給してやるのには費用が高くつくので、代わりににしんを食わせる頃がある。すると、いつの間にかすっぽんにもにしんの匂い、味がして、貝だけを餌にしていた時のような美味さが失われて来る。